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archive : 2011 年 10 月

論理と情理

先週のブログに載せたアリストテレスの説得術(正確には`弁論術’だが)について、もうちょっと詳しく述べたい。

 1.論理的説明によるもの(論証)
 2.語り手の品性・人柄によるもの(権威・美醜)
 3.聞き手の感情・情念に訴えるもの(憐れみ・同情)

1がいわゆる理屈で、相手の「頭」に働きかけるのに対し、2.3が好悪などの嗜好や情、いわば「ハート」に訴え説得力アップをたくらむ作戦である。

2はちょっとわかりにくいかもしれない。が、あやしげなサプリメントに「××大学医学博士推薦!」などの肩書が強調されるのはなぜか、またニュースの媒介者であるはずの女子アナにやたら可愛いのが起用されているのはなぜか、を考えていただければすぐピンとくると思う。

「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい」。

「理(智)」は人生に必要不可欠なものだ。しかし「理」だけでは人の世を動かすことはできない。漱石の嘆息を裏返せば、「理」と「情」とのあいだのバランスをうまくとることが、世の中という暴れ川をうまく下っていくコツと言えよう。

それを実感させるのが「尾木ママ」である。

★「子育ちは自分育てです」 早稲田大学大学院教育学研究科客員教授、教育評論家 尾木直樹氏

★「結局、子どもって勝手に育つのね。いっしょに自分も成長できるのがすごくイイ❤」尾木ママより

子育てに悩むお母さんにたちは、どちらの呼びかけに、より共感を覚えるのか。わかるわよねぇ~♪

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『組織認識論』

「LC研究所HPのトップでめくっている本の中身は何?撮影用のダミー?」という問い合わせがきた。

せっかくアクセスしてくれたんだから、もうちょっとマシな質問はないか、と内心思いつつもお答えしよう。これぞ加護野忠雄先生(現:甲南大学 特別客員教授)の「組織認識論」だ。ハードカバーの旧版で、表紙が行方不明という、文字通り‘一皮むけた’書物である。

共同執筆を予定している本の参考書にするはずが、絶版になっていたことが判明。facebookなどで呼び掛けたところ、たちどころに要望が集まり、出版社(千倉書房)のご厚意でスムーズに再版の運びとなった。facebookおそるべし。

概要は以下の通り(Amazon.co.jpへのリンク)。自分なりに理解した内容については、また後日述べたい。

「組織認識論」 加護野忠雄 千倉書房

http://www.amazon.co.jp/gp/product/480510967X/ref=pd_lpo_k2_dp_sr_1?pf_rd_p=466449256&pf_rd_s=lpo-top-stripe&pf_rd_t=201&pf_rd_i=4805105763&pf_rd_m=AN1VRQENFRJN5&pf_rd_r=09Z35XYQYHHNY2FYSC75

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論理力は誰のため?

論理力はどんな時に一番役立つのだろう。それはズバリ、「弱者が強者を説得する時」だと私はひそかに思っている。

人はどんな場面で説得されるのか、アリストテレスはこれを3つに分けている。

1.論理的説明によるもの(論証)
2.語り手の品性・人柄によるもの(権威・美醜)
3.聞き手の感情・情念に訴えるもの(憐れみ・同情)

つまり、上司が部下に動いてもらうのには、さほど理屈は必要ないのだ。「これやれ!」でいいのだから。それができない我々に、「こうだからコレしたいんですけど、いいですか?」という論理のチカラが必要なのだ。

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ライフ・ワークバランス

今日のNHKのローカルニュースより。滋賀県が、子育て中の女性の再就職を全面的にバックアップする施設を立ち上げた。職業斡旋とともに、保育所の紹介等も行なう。子連れで来てもゆっくり相談ができるよう、所内に保育施設も設けるという。いたせりつくせり、うらやましい限りだ。

私が会社をやめたのち、失業(雇用)給付を受けたことがある。下の子はおなかの中、上の子はそうそう他人に預けてもいられず、やむなく、連れてハローワークに来所した。子どもの手を引くこちらの姿に、一瞥をくれた女子職員はひと言、

「そんな状態で働けるんですか」。

そして給付カードに、「子連れ注意」と走り書きした。

あれから15年、世の中は変わったのだろうか。子ども、老いた親、これらが社会に出ることの足かせにではなく、働くことの原動力であるような社会であってほしい、と切に願う。

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論理力養成ギプス講座  其の参

ロジック・ツリーは万能にはあらず!の巻 3/3


ギプス3
       息子が書きなおしたロジック・ツリー

息子:「前回のロジック・ツリーよりも冷静な感じがするね。それだけに、今の巨人に何が必要か、課題も見えた気がするよ」

一徹:「ロジック・ツリーを作ることに夢中になっていると、物事の都合の良い面ばかり見がちじゃ。ゆえに論証を行う前に、証明のためにはそもそも考えなければならないことは何か、これをしっかりと押さえておく必要があろう

息子:「本当にそうだね」

一徹:「討論(ディベート)は、ある一つの論題について、それを肯定する側と肯定しない側の2つのチームが、お互いの根拠アのつぶしあいをするものよ。これも一通り討論を終えた後、肯定と否定の立場を入れ替えて再び論じ合うんじゃ。それにより、問題が複眼的に見える」

息子:「じゃあ、わざと反対の主張に立って、ロジック・ツリーを作ってみてもいいんだね」
一徹:「早速取り組むがよい!」

(紙と鉛筆を用意し、自分でやってみぃっ!)
        image[1]

息子:「やっぱり課題は先発投手だ、ってことがわかってきたよ」

一徹:「そうじゃ。それさえ克服すれば、わが巨人軍は優勝よ。そして来シーズンも日本シリーズを制し、日本一の星に輝くのじゃ!」

息子:「父ちゃん、今はその前に、クライマックスシリーズがあるよ…」



一徹からの論理指南 その参
「ロジック・ツリー」作成上の注意点

・「それを証明するにはどんな材料があればよいか」をまず考える
・自分の都合のいい事実ばかり集めない
・反対の視点からロジックツリーを作るとなお効果的



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論理力養成ギプス講座  其の参

父ちゃんの指南を受け、ロジック・ツリーを書き終わり小首をかしげる息子。今シーズンの現状とかけ離れた、筆者の場面設定に不服なのだろうか。一体、何を考えているのか?



ロジック・ツリーは万能にはあらず!の巻 2/3

一徹:「息子よ、なんか不満げな顔をしとるが、どうしたのかな?」

息子:「根拠3『今季はどの球団も戦力的には変わらない』っていうのが、なんだかあいまいだなあと思って…」


ギプス2
         息子の書いたロジック・ツリー


一徹:「ほほう。『戦力的に変わらない』とは結局どういう意味じゃ?」

息子:「どのチームも大きな選手補強とかがなくて、チーム力にあまり変化がないって言いたいんだけど。でも良く考えたら…」

一徹:「何かあるのかな?」
息子:「打撃力のことばかり考えて、投手力についてはあんまり考えてなかった」
一徹:「ふふっ。やっと気付いたようじゃの。根拠から考えていくと、都合のよい事実ばかりを拾いがちじゃ。そもそも、優勝するにはどんな条件が必要か、考えたかの?」

息子:「投打のバランス、監督の采配、他チームの状態…。そういえば、誰だったか、アメリカの野球評論家がいってたなぁ。データを見たら、結局は失点が少ないチームの勝率が一番高いって」

一徹:「そうなんじゃ。自分の主張を支持しようということばかり考えとると、全体を見失ってしまう。それを防ぐためには、ロジック・ツリーの頭から考えるということが大切なんじゃ」

息子:「頭からって?」

一徹:「つまり、さっき言った、チームが優勝するための条件のことよ。論題を証明するには何をいうことができればよいか、これをまず考えたうえで、巨人の戦力の現状と照らし合わせればよい」

息子:「そうか。もういっぺん書きなおしてみるよ、父ちゃん」

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論理力養成ギプス講座  其の参

プロ野球のペナントレースも終盤を迎えるこの頃、一徹と息子のバトルもクライマックスを迎える?!
論理力養成ギプス講座、第三弾!



ロジック・ツリーは万能にはあらず!の巻 1/3

息子:「今度は『巨人は来シーズン優勝する』をロジック・ツリーで考えてみたいんだけど」
一徹:「論題(イッシュー)を立てるわけじゃな」
息子:「ロンダイ?異臭?父ちゃん、何それ?」
一徹:「今から考えるべき問題のことじゃよ。ある答えを出したい事柄について、『?』で終わる形での問いかけ文にすると取り組みやすい」

息子:「じゃあ『来シーズン、巨人は優勝するか?』だね。主張はもちろん「巨人はぶっちぎりで優勝する」にするよ!」

一徹:「こらぁっ、あいまいな言葉を使ってはいかん!『ぶっちぎり』とはどのぐらいを想定しておるのじゃ」
息子:「…10ゲーム差ぐらいだよ」

一徹:「ならば『巨人は2位以下と10ゲーム差以上をつけて優勝する』と数値を使って具体的に示さんと。主観的な表現は、できるだけ客観的表現に置き換えんといかん

息子:「そうか、わかったよ!今から、全力でロジック・ツリーを書くよ!」

ギプス2

       「息子の書いたロジック・ツリー」


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脱・ふいんき

吹く風にひんやりとしたものが感じられる頃、144試合もえんえんと続いてきたプロ野球のシーズンも、終わりに近づく。そしてほぼ順位の決定したこのころには、わが家にいわゆる「消化試合」のチケットがどこからともなく回ってくるのだ。特に多いのは、在住の神戸市にある「ほっともっとスタジアム」のチケット。ここは、ご存知?オリックス-バッファローズの本拠地だった。青々とした天然芝、視界をさえぎることのないフェンスなど、本当に目にやさしい球場だ。野球のルールなぞ分からなくても、座席に腰掛けてグラウンドを眺めているだけで、ひろやかな気分になれる。

ところが興ざめなのは、バッターボックスに選手が向かう際のアナウンスだ。イチロー、長谷川、田口など日本人リーガーを輩出したこの球団は、、大リーグへの「本卦がえり(‘本家’ではないぞよ)」をめざしているのか。、男声の、ものすごい巻舌音で、「スゥズゥクゥイ~、イツゥィロゥゥゥ~」などと雄叫びを上げるものだから、「鈴木一朗・・・か?」と気づくまでに、1分20秒ほどかかったりする。そしてその頃には、当の選手は凡フライでアウトになり、もうベンチに戻っていたりしているのだ。

選手名が聞き取れないアナウンス、こりゃ一体何のための、誰のためのものなんだ?アナウンスとは、元来、次の打者は誰かという「情報」を伝えるものであるはず。その疑問に対して、球場の人たちはこのように答えた。来場者の大半を占めるのは、オリックス-バッファローズファンとその相手、つまり「身内」な人たちだ。だから「次の打者はだれそれ」と心得ているから、わざわざ告知する必要なし。第一、バックスクリーンに打順は掲示されている。要は、大リーグっぽい感じが伝わればそれでよい、と。

つまり、この人たちが伝えたかったのは、単なる「ふいんき(正しくは『ふんいき』。念のため)」だったわけだ。それにしても実にムラ的な、相手不在の思考回路だねェ。よそから来る「お客さま」には、あくまでも情報の提供を主目的にしなくちゃね。さて、みなさんのプレゼンやPR文も大丈夫?「××に挑戦するのは、そこにヤリガイを感じるからです(やってないことにどうして『やりがい』を感じられるんだい?)」「私は成長したい(自己評価としての「成長」は本来「身長が伸びる」という意味しかない。英語のgrowthと勘違いしてるんだよね、きっと)など、自分以外には理解できない言葉を連発した、雰囲気重視の、空虚な内容になってないか?

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キャンパスに秋風が吹くころには

今はちょうど、新旧入れ替わりの時期だ。現4回生(修士の場合は2回生)の就活の多くが収束を迎える一方、3回生はぼちぼち準備でもすっか、とスイッチが入ってくる。大学構内で、キャリアガイダンス開催案内のポスターが目立つ所に貼られるようになってくるのもこの時期だ。

ここでひとことアドバイス。まずは4回生向け。

とにかくあきらめないこと。頭の中には、戦略的留年や院への避難的進学などの選択肢が頭にちらついているかもしれない。しかし、来年以降に問題を先送りして解決への道が開かれるかというと、そうではない。日本企業の新卒採用の場合、残念ながら年齢が若ければ若いほど良し、という風潮が残っている。そもそも、勉学目的以外の留年は、明らかに不利になるのだ。ここはひとつ、もうひと踏ん張りしてほしい。

じゃあどのようなアクションをとればよいか。大学のキャリアセンターに足を運んでほしい。もう一度自分の棚卸しをするのだ。この時期まで納得できる内定がゲットできていないのは、自分なりの規範を持てず、流されるまま就活をしてきたことが原因であるケースが多い。しかしこれまでの経験を通じて、少なくとも「絶対にやりたくないこと」「これだけは譲れないこと」はつかんでいるはずだ。それは勤務地なのか職務内容なのか、はたまた知名度なのか、センターの人と相談しながら、自分の軸をもう一度はっきりさせる必要がある。

次に3回生向け。自分の視野が、おそらくは狭いことを自覚してほしい。よくあるのが、「『**ナビ』に登録したからこれでOK!」ってやつ。もちろん、就活ナビの利用は今時の学生にとって必須だろう。しかし、日本企業421万社に対し(*注)、業界最大手のリクナビの登録企業数は約9500社(リクナビ2012)。かつ、その9割がいわゆる大企業である印象を受ける。スマホやパソコンの四角い画面の中からのぞける世界は、意外と浅く、狭いのだ。大学のガイダンスなどを利用し、社会人となった先輩たちのナマの声をできるだけ聞き、「知る」より「感じる」経験を積んで欲しい。

がんばれ!就活生。困ったときにはいつでもおいで。応援しているぞよ。

注)中小企業庁HPより http://www.chusho.meti.go.jp/koukai/chousa/kihon/index.htm

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