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archive : 2012 年 02 月

言葉とリズム 2/2

さて、宿題を検証してみよう。芭蕉の句「古池や…」だった。おそらく下のように、「ふるいけや」の後ろに3つ休符を入れ、あとの7+5の12字を一気に読んだ人が多いのではないだろうか(・は休符)。

  ふるいけや   かわずとびこむみずのおと
 ♪♪♪♪♪・・・♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

これは、4の倍数のリズムにするために、無意識に休みを入れることによる現象のようだ。

では、5・7・5・7・7はどうか。百人一首から、なぜか近畿圏の子どもたちに大人気の蝉丸の歌「これやこの行くも帰るも分かれては 知るも知らぬも逢坂の関」を取り上げてみよう。ちなみに、坊主めくりの時にこの人を引いてしまうと、特殊ルールが発生することがある。私が幼少期に住んでいたところでは、全員が手持ちの札を捨てなければいけないという迷惑なローカルルールがあった。

 これやこの    いくもかえるもわかれては    しるもしらぬもおおさかのせき
 ♪♪♪♪♪・・・♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪・・♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

これも上と同様、「これやこの」の後ろに3つ休みを入れた後、「いくもかえるもわかれては」を一気に読み、2つの休みをおいて下の句「しるもしらぬもおおさかのせき」と読み上げた人が多いと思う。そう、七五調は言葉の数ではなく、音符と休符の4つの連なりというリズムで構成されていたのである。

まだ首をかしげているアナタのために、七五調の童謡「うさぎとかめ」の楽譜の無料リンク(ちくま出版)を紹介しよう。これをみると、「もしもしかめよ」の「よ」にあたる7つ目の語の音を2倍に、次の「かめさんよ」の5つ目「よ」を3倍に伸ばしたうえ1つ休み、「♪(半拍)」4つ分で一小節をキープしていることがよくわかる。つまり4分の2拍子にするため、言葉を伸ばしてつじつまを合わせているのだ、日本語の自然なリズムになじませるように。

ん?冒頭の乗馬の話はどこに行った?童謡「おうまのおやこ」の方がよかったかな。

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言葉とリズム 1/2

昨日はシステム障害か、どうしてもFC2にアクセスできなかった。ということで24日の更新になってしまったぞ。
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大きな仕事がひと区切りつくめどが立ったので、今日は久しぶりに馬に乗ってきた。朝から小雨のあいにくの空模様だったが、もはや3月に近いせいか、肩にかかる雨にも柔らかさを感じる。まずはウオーミングアップと、人気の少ないぬかるんだ馬場でゆったりと歩みを進める。

ところで、馬の歩き方のリズムは、そのスピードによって違っているのはご存じだろうか。冒頭のゆっくりとした歩き方は1・2・3・4の4拍子、イギリス王室の儀式の時に見るような小走りは1・2、1・2の2拍子、駈け足で走るときは、パカラッ、パカラッといった感じのタメのある3拍子である。

クラシック音楽では、ワルツなど3拍子をもとにした曲(4/4拍子の3連形といったもの含めて)がポピュラーである。これを「騎馬民族をルーツとする西洋人の音楽は、馬の駈け足が基になっている」とする学者や「だから英語のリズムは3拍子なのだ」と言う英語の先生もいる。しかし、真偽のほどはさだかではない。ほな、元祖・騎馬民族モンゴル人のホーミー(喉歌)に3拍子があるか、というと全くそうではないし。

実は、日本ではこの3拍子系の曲はかなりの少数派であり、4拍子系が圧倒的与党である。それはなぜか。どうも日本語のリズムに関連がありそうだ、ということで、みなさんに宿題。下の句を声に出して読みながら手拍子をとってみよう。コラムの続きは次回、この宿題のあとで。

 ふるいけや かわずとびこむ みずのおと(芭蕉)

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「です・ます」?「だ・である」?

むむむ!仕事の最ハードな時ですら続けてきたブログ更新を、1週間さぼってしまったぞ。これから性根を入れ替えてがんばるね。

大手企業のエントリーシート締め切りが次々と山場を迎えている。今日締め切りの企業もあるけど、ギリギリまで粘っている人も多いことだろう。

ところで基本的な質問を一つ。エントリーシートは、「です・ます」で書くべきか、「だ・である」で書くべきか?

答えは基本的には「です・ます」で書くべし、と私にしては珍しく断定したい。

エントリーシートは基本的には見知らぬ目上の人に'読んでいただく’PR文だ。というわけで敬体である「です・ます」で書く。ちなみに入社後に誰しも書くビジネス文書では、お願いをする部分は「です・ます」、依頼の具体的内容を述べる部分では常体の「だ・である」と使い分ける。学会に出す論文(技術系の人にはよくある)、社内試験やレポート・論文などは「だ・である」を使用する。

いろいろな就活マニュアル本に目を通すが、意外とエントリーシートの文体について触れていない。常識だと思っているのかな?念のため書いておくね。

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巧遅は拙速に如かず

最近、就活中の学生の動向がつかめない。以前は、キャリア講座などでご縁ができた奴が「A社、面接こんな答えでよかったんでスかね」とか、「すみません、自己PR見てください。できれば、ボランティアで」とタダ働きさされたりしたものだ。でも今年は、学生とのメール交換はしたものの、ハイシーズンになっても連絡が来ない。

こちらの仕事もひと段落したことだし、一人に連絡を取ってみた。聞くと、あちこちのセミナーや説明会に足を運んでいる段階で、選考に進んでいるものはないという。

最後に、「たまには連絡ちょうだいね」というと、「でも、聞きたいことあってもすぐにレスくれそうにないし」といった意のつれない答えだった。

でも、そりゃそうだね。試験中に問題の正解をインターネットで尋ねると、数分以内に不特定多数から答えが返ってくるようなご時世だもの。「巧遅は拙速に如かず」。時代の流れに乗っていかなくっちゃ。

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正社員という制度

現在、複数の有志からなる今春の出版プロジェクトに向け、執筆中である。題名は「ひとのせいにするな(予定)」で働く人の姿を働く人の視点で描き、メッセージを送ろうという試みだ。

私は契約・派遣社員についてのパートを担当することになっているが、この歳になって驚いた。「正社員」の法律的な定義がないのだ。労務士である知人には「知らなかったのか」と逆に驚かれた。

社会通念上は、「期間の定めのない労働契約を締結している労働者」である。だが語弊を恐れずに言えば、私はひそかに「嫡出子」と「非嫡出子」ぐらいの法律的違いはあるのかと思っていた。もともとは個々の企業・団体のローカルルールだったものが、戦後の日本型経済モデルにのって「正」と「非」に大きな隔たりを生み出したのだろう。。

それにしても、これほどハケン切りだの、偽装請負だの、いす取りゲームの勝者である正社員の周囲はかしましいというのに。まさに慣習の上にどっかり座ったもん勝ちである。

最近はどうも、シルバーシートと化しているようだが。

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帰納法の落とし穴

11/21・27付のコラムでも書いたように、人間の思考の様式は「帰納法」と「演繹法」に大別される。

普遍的な前提から個々の結論を導くのは「演繹法」だ。数学の解を導くのに、公式をあてはめて考えるのがその典型例である。ただし、日常生活においては、どの前提を‘普遍’と考えているかで異なる結論が導かれることは、11/27コラムで‘清武の乱’の例を引いてすでに述べた。

では「帰納法」はどうだろうか。多くの個別事例を観察して、それから普遍的な原則を導き出す帰納法は、自然科学などでは当たり前に用いられる手法である。ガリレオは木星の衛星の発見から天動説に疑いを持ち、ニュートンは木から落ちるリンゴを見て万有引力の法則を打ち立てた(これには異説もあるが)。じゃあ、帰納法は万能か?

というと、残念ながらそうでもない。確かに通信添削のテキストで書いたように、、誤ったサンプルを集めてしまったというような、いわゆる使用上のミスもあろう。しかしそれ以前の大問題がある。それは、「想定外」のケースだ。

帰納法は、集めたサンプルをもとに将来の仮説を立てる。ところが、いくらデータを集めたところで、現実がそれを超えることだってある。東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)がその例として記憶に生々しい。

人間の英知には、やはり限りがあるような気がする。。「諸行無常」、現状は常にうつろう。一度立てた仮説を指針としつつも、決してそれに固執することなく柔軟に現実に挑む姿勢が、われわれ実務家には求められる。

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