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archive : 2012 年 05 月

すべらない力

「すべらない○○」というタイトルを本につけると、売り上げもすべらないとの確信があるのだろう。アマゾンの検索では「すべらない就活」「スベらない商談」「すべらない敬語」「センター試験ですべらない(ある意味、意外性のないタイトルだ)」…が数十件登場する。

これらを見ていて、面白いことに気付いた。フジTVの『人志松本のすべらない話』の誕生は2004年ごろだ。だが、本の発刊は2010年ごろと最近のものが目につく。番組名から借用したのは明らかだが、なぜ最近なのか。また、どちらかというと無名の筆者が多いのも興味深い。

もうひとつの旬なタイトルは「××力」だ。これは、正確な数は調べられなかったが、「すべらない」との比率から言えば10倍は下らないだろう。勝間和代『断る力』、阿川佐和子『聞く力』、猪瀬直樹『決断する力』…有名どころが続々である。

発端は、ネガティブな響きを持つ「鈍感」と組み合わせた名タイトル、渡辺淳一『鈍感力』(2007年)ではないか。と思いきや、早稲田ビジネススクールが編み出した「現場力」というネーミング登場の方が2004年と古かった。代表作である遠藤功『現場力を鍛える 「強い現場」をつくる7つの条件』は、日本企業の強みを説いた好書であった。が、どこに着目して「現場」としているのか、ややあいまいと感じたことを覚えている。

今、論理力と文章力に関する本を書いている。「すべらない力をつける!実践論理力」だったらベストセラー間違いなしと思いたい。しかし旬を逃すとイタさが際立つのが、この手のタイトルである。早く、陽の目を見せてやりたいものだ。

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恐怖のDNA

また更新が遅れてしまった。「これはアクセスのリピーターをアップするうえで最もまずいやり方ですっ」とある方から忠告をいただいた。とてもありがたいことである。次からはちゃんとやろう、と決心する。しかし、何度めの決心だろうか。

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さてさて今日も小ネタで。題名からホラーネタ、あるいは野球ネタ(eがいるが)を連想されたかもしれない。どちらでもない。昨年、パリに遊びに行った時の話だ。

ルーブル美術館のカフェで、朝ごはんを食べていて驚いた。スズメがパンくず目当てにテーブル上まで遊びに来るのだ。日本でよく見られるような警戒心は全くない。ハトなみの馴れ馴れしさである。

逆に、ハトからはかなりの警戒心を感じる。足元に寄ってくるなどということはまずなく、なるべく人間と目を合わせず、距離を置こうとしているように見える。ひょっとすると、「取って食われる」とでも思っているのか?

確かに、ジビエを扱うたいていの店では、ハト料理が1つや2つはある。すずめ料理は今まで見たことがない。それに対し、日本の焼鳥屋では「すずめ焼き」は定番メニューである。しかし「ハト姿焼」「ハトの肝串」などは聞いたことがない。先祖代々から捕食の対象となってきた恐怖が、それぞれのDNAに刻みこまれ、人の姿に警戒信号を出すのだろうか。

ちなみに、昔、ロンドンのピカデリー広場=ハトの洪水だった。が、今日ではハト自体がかなり少ない。「請勿餵鴿子」など7ヶ国語で書いた看板が徐々に功を奏してきたとのことである。しかし激減の理由を、80年代以降のサッチャー改革のせいにする説もある。失職した人がパイにしたというのだ。

実は「はとパイ」はイギリスで一度口にしたことがある。それ以来、動物系パイは「うなぎパイ」しか受け付けなくなってしまった。イギリス人とはいえ、あれを朝昼晩続けて食べることは可能だろうか。私にとしては、前者の説を支持したい。

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『正しい』日本語ってなんだ

事務所の模様替えをしていると。古いチラシが出てきた。もう10年ほど前になるか、京都のキャンパスプラザで「21世紀講座」に登壇した際のものだった。テーマは「『正しい』日本語ってなんだ」で、講師5名からなる計5回講座のうち、3回目を務めた。1回目の人がすごかった。あの故・加藤周一さんだった。

高校生の時、共通一次(センター)試験の模試で加藤さんの評論が出されたことがある。まさか、「今年の現国は小林秀雄か加藤周一にヤマを張れ」のうち「知の巨人」の方と一緒に仕事ができようとは…。人生は分からないものである。

自分が何をしゃべったかはかなり記憶から飛んでいるが、講演のアンケートに上品な女文字で「田原先生にティッシュをお渡ししとうございました」とあったことだけは鮮明に覚えている。風邪をひいて洟を垂らしながらの講演だったようだ。

あれ以来、「正しい日本語とは何か」ずっと考えているが、未だに答えが出ていない。『マイ・フェア・レディ』のヒギンズ教授ならいざ知らず、「正しい」というレッテルは誰が貼るのか?ことばどころか、これが日本だと思ってすがっていた土台さえも怪しくなっている。加藤さんなら、今のこの国をどう論じるだろうか?

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『短期決戦 将来像を明確に』

就活中の皆さん、調子はどうかな?元気に活動してる?5.21の日経新聞に早くも「内々定者5人が語る就職戦線」として冒頭の記事が座談会形式で掲載されていたね。これを見て、焦りを感じた人もいるかもしれない。

でも、まずは自分を落ち着かせてほしい。この5人の経歴などから推察する限り、入学当初から働くことを意識し、それにむけてかなり周到に準備した人たちだと思う。あなたとはスタート時点で全く条件が違っている。現時点で比較して落ち込んだって仕方ない。それより、この記事の内容に目を向けてほしい。

イマドキな部分はスマホの重要性が強調されていた点だ。しかし、内容的には「会社の特徴を見極めよ」「自分の良いところをアピールせよ」など、極めてレトロなものだ。大学のキャリア講座にまじめに出ていた学生さんにとっては、耳タコのセリフだろう。

ただ、就活がうまくいっていないと感じている人は、原点に戻ってこれをやり直してほしい。自分の興味やよいところをしっかりと理解したうえで、興味がもてそうな相手(会社・組織)の見定めをつけ、そこで行なわれている仕事をできるだけ詳しく調べるという作業だ。

といっても、社会経験が浅いので、「自分の興味」すら見つけられない人も多い。そういう向きは消去法でいこう。今までの活動で興味が持てなかった業界や会社の共通項を探してみるのだ。例えばそれが「応対が横柄だった」とか「大学名で学生を選んでいる」レベルであれば、あなたは会社選びを「感情」で行なっているのだ。その会社の「仕事=社会的役割」という本質に注目しているわけではない。

あなたは社会人になって、どんな場所(業界・会社)で働きたいのか?自分の良いところを活かせそうな仕事(会社の中での自分の役割)は何か?「自己理解」「仕事理解」、会社が知りたいのはたったそれだけだ。この部分を自分なりの「なぜならば」で説明できた人のみ、相手に興味を持ってもらえる。

ちなみに、女子組のかなり多くにとっては、就活が本格的にスタートして間もない時期ではないだろうか。説明会をクリック予約して安心、足を運んで満足、になりがちだ。そこで終わるのではなく、「自己理解」「仕事理解」のための出席、つまり情報収集のために行っているのだということを、強く意識してほしい。

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大学就職率、93.6%に改善

文科省と厚労省の調査によると、ハローワークと大学との連携・支援強化の結果、就職率は昨年度の過去最低の91.0%から2.6ポイント改善した。大手から中小企業へと学生への視点を転じさせたのが就職率アップの理由という。5月15日、各紙の夕刊が一斉に報じていた。両省はさらにハローワーク・大学の連携を進め、500を超える大学の窓口に専門相談員を常駐させるらしい。

この記事前半は、結構な話だと思う。学生さんに「なんでこの企業を志望するの?」の代わりに「どこでこの企業を知ったの?」と聞くと、たいてい「CMで見たんっスよ」とか「えー、いっつもここの製品使っているし、ほか知らないから」という答えが返ってくるからだ。要は、見えるところしか就活しに行っていないのだ。

おまけに親が大手志向をあおっている。この場合の親とはたいてい「母親」だ。特に娘への影響力は絶大なものがある。「絶対につぶれないところに行くのよ!」という励ましを受け、落ちまくって10月ごろキャリアセンターにやってくる学生も多い。公務員をめざす理由もたいてい「つぶれないから」。日本の負債総額は現時点で983兆円、1世帯ごとの負担に換算して約1750万円(*)。超ベンチャー企業に就職するようなもんである。

では後半の話、「専門相談員を常駐」がなぜまずいか。大変失礼なことを言うようだが、若年者向けのハローワークの専門員は、私が知る限り「初心者マーク」が多いからだ。第2の人生を他人のために捧げたいという思いに燃えた団塊の世代、子育てを終えた主婦など。スキルが未熟であるうえ、現在の人材市場のニーズをよく理解していないので、勢い自分の時代と重ねて経験ベースで話をしたり、傾聴だけで終わってしまったりする。

地元企業・中小企業の求人データベースだけ共有し、あとは各大学にたいてい常駐している「キャリア相談員」にコンサルテーションを委ねた方が、ずっとスムーズに支援ができるのに。あとは、相談員のスキルアップ・情報提供の場だけお上が提供すればいい。いろんなところに首を突っ込んで、カネと労力の無駄遣いをするのはやめていただきたい。第一学生がかわいそうだ。

* 財部誠一「日本の借金時計」より http://www.takarabe-hrj.co.jp/clockabout.html

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誤読2

前回に続く第2弾。記念すべき70回記念のコラムが、こんなネタであることに若干情けない思いはあるが。

ゴルゴ13(ゴルゴさーてぃーん)

泣く子も黙る、日本が誇る世界のスナイパー。ところが私は彼をどうしても「ゴルゴじゅうそう」と呼んでしまう。大阪~神戸の人はよくご存じだろう、「十三(じゅうそう)」とは大阪府淀川区にある阪急電車の主要駅である。周囲にはキャバレー、怪しげなサロン、ある種のホテルがひしめくことで有名だ。ちなみに大阪市橋下市長の出身校である北野高校は、こうした歓楽街のど真ん中にある。

子どもの頃より、「まんまん満月じゅうそうの~」という十三の老舗ピンサロ『まん』のCMソングや「十三名物トルコ『大名』へどうぞ」などという動かない広告を地元TVで視聴し、大きくなったことが原因らしい。まさに刷り込みだ。

それにしても、アニメの再放送と共に、白昼堂々これらのCMが放映されていたのが昭和なところである。当時、マーケティングという概念はなかったのだろうか?それとも、未来のロイヤルカスタマー育成を目的とした、遠大な志が潜んでいたんだろうか。今となってはわからない。

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誤読

またも更新が遅れたので、今回も前回に引き続き、字の勘違いに関する小ネタで。

AKB48(エーケービーよんじゅうはち)

「子どもからお年寄りまで」という表現がぴったりのアイドルたちの、グループ名を読み違える人は日本広しと言えども少数派にちがいない。ところが私はその一派に属する。頭の中で必ず「アーカーベー そーらくぼーしぇみ」と読んでしまうのだ。これは昔、ロシア語をかじった事が原因だ。

みなさんは「カラシニコフ」をご存じだろうか。開発より半世紀以上、「操作がしやすい」「こわれない」「お手入れが楽」で、いまだ世界の紛争地で活躍する旧ソ連産の自動小銃だ。正式名称は「AK47」、「アーカー そーらくしぇーみ」。大変似ている。

それとソ連時代から脈々と続く、ロシアの情報機関も「KGB(カーゲーベー)」。これらの雑学が、私にグループ名を正しく読ませることを妨げているのだ。

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誤字

2日も更新が遅れたので、今日は小ネタで。(いつもか)

先日、今年度の芥川賞受賞作のひとつ、田中慎弥さんの「共喰い」を調べていて変なことに気付いた。Googleで検索したとき、個人のブログ名などの表示のほとんどが「共食い」となっているのだ。

思わず、こちらが間違えているのかと作品そのものをみると、やはり「共喰い」。パソコンで「ともぐい」と打ったときの変換が「共食い」となることが原因らしい。

そういえば、ずいぶん前、学生の書いたエントリーシートをみていたとき、相当数が「貪欲(どんよく)に取り組む」を「貧欲(ひんよく)」となにやら逆の意味にとれる誤字を書いていたのに驚いたことがある。その後、実際に書く姿をみてその原因がわかった。辞書代わりに使っている携帯の画面の字が粗く、「貪」の漢字を読みそこなっていたのだ。

数年前とは言え、クリアなスマホの画面では考えられない、今は昔の話である。

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様と殿

ビジネス文書の研修でよくある質問。「人の名前の後ろにつけるのは、『様』と『殿』とどっちがいいんですか?」。私の答えは、いつも「どちらでも大差ないですよ。職場の慣習に倣ってください」。

ただ、そう言うと、ときどき不服そうな顔をする人がいる。おそらく、どっちが正しいのか、専門家のお墨付きをもらって職場に帰りたいのだろう。でも、格式上の差異は今はない。ただ私個人の好みからすれば、「様」だ。氏名の後ろにつけるのには、やわらかくていい。

じゃあそもそも、「様」「殿」の由来は何か。

古来、エライ人の名を直接呼ぶことはタブーだった。そこで名指しの非礼を避ける工夫、すなわち敬称が生まれた。「様」がその際採用されたのは、「~のようなもの」という意味の「ぼかし機能」を持つからだ。つまり「田原様」=「田原のようなもの」。現代人の感覚からすれば、そっちの方が失礼なような気もするが。

ちなみに「殿」はどうか。「御殿」という言葉から察しがつくように「居住するところ」という意味を持つ。「田原殿」は「田原が住んでいるところ」で、これも人そのものではなく、ところを指すことにより、礼を失する危険を回避するということだ。なんともまどろこしい話である。

ちなみに、「御待史」という敬称はご存じだろうか?「知っている」というあなたはおそらく医療関係者だろう。これは「お側についている侍者の方」という意味だ。貴いあなたに直接手紙を差し上げるなんて恐れ多い、というスタンスだ。「神経内科 ○○先生御侍史」など、医者あての書状でよく見かける敬称である。

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