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『詭弁論理学』と『レトリックと詭弁』

今日は体育の日、頭にもエクササイズをということで、冒頭に挙げた2つの本の紹介を。

一つ目、『詭弁論理学(野崎昭弘著 中公新書 1980)』をひとことで言えば、詭弁のしくみをおもしろく解説した読み物、だ。取り上げてある観察例が昭和チックで楽しい。電車内のコマ犬人間やジベタリアン必見の部分は「電車でわが子をまっさきに座らせようとする非常識な母親」を描いた箇所。昔はその程度で「非常識」とされたのだ!

詭弁の親父分にあたる「強弁」にも、ニヤリとさせられる。1相手の言うことを聞くな、2自分の主張に確信を持て、3逆らうものは悪魔である、4自分の言いたいことを繰り返せ、5おどし、泣き、しゃべりまくること。「抵抗勢力」の烙印を押して政敵を失脚させた元首相や、補助金を人質に伝統芸能の存続に揺さぶりをかけている自治体の首長やらの顔々が浮かんでこないだろうか。中公文庫の緑色の威圧感をおそるるなかれ。やさしい語り口調の、古くて、新しい本である。

お次は『レトリックと詭弁(香西秀信著 ちくま文庫 2010)』である。上の本が、身の回りにあふれる詭弁や錯覚を数学者らしい視点で検証していくのに対し、これは「ビジネス護心術」という副題が示す通り、詭弁に対峙するためのことばとマインドのノウハウ本である。筆者によると、「議論の技術や論理的思考力の訓練をする時間もエネルギーも、失礼ながら根気もない方々」が対象だ。

特筆すべきは、取り上げた例の種類の豊富さだろう。文学、対談、有名人のエピソード、国会答弁など、いろいろな場面でのやりとりが取り上げられている。実用に供したいとの著者の意気込みが感じられる。ただし、1つ気をつけてほしいのが、これが10年ほど前の『「論理戦」に勝つ技術-ビジネス「護心術」のすすめー』のリメイクである点だ。既にお持ちの方はご注意を。

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