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論文試験、負のスパイラル

息子のセンター試験が昨日終わった。大失敗だったという。特に数学は、今までと全く違う傾向で、多少の思考の柔軟性を要する問題が一問目からでたため、頭がパ二クってしまったらしい。

そもそも自分たち文系は数学が苦手なので、「こんな問題が出たらこう解答せよ」とパターン化した思考で対処している。いわば、ベルトコンベアで運ばれる餌しか食べられないブロイラーだ。それを、いきなり生き餌に挑戦せよと言われても―と嘆く。ふむふむ可哀想に、とうなづきつつも、内心(試験とはそんなものよ)と考えていた。正解のない論文試験なら、なおさらそうだ。

与えられたテーマに対し、「こう考える。それはこう言う事実や経験があるからだ」と素直に答えていくだけでよいものを、その基本ができていないケースは非常に多い。思いや意気込みが先行するもの、逆に事実や経験だけを書いているものはまだいい。全くテーマを無視した論文にもかなりの割合で出くわす。

もう時効だと思うから書くが、入社試験に『あなたが最近気になること』といった題をだしたところ、「志望動機」を述べたものが相当数見られた。想定外の質問に、自分が想定した答えしか用意できなかったのだろう。ひとつ、「私が一番気になるのは、この会社に入れるかどうかです」と書いたものについては、そのユーモアを評価したが。(ただし、当然高い点はあげられなかった)。

こうした極端なテーマはずれが現出するのは、うちのブロイラー息子と同様、「練習のしすぎ」が原因なのだろう。文章に苦手意識のある人ほど練習を重ね、「想定原稿」を準備してしまう傾向があるのではないか。その結果、与えられた目の前の課題に柔軟に対応できず、厳しい評価を受ける。だからよけいに次の機会には入念に練習してしまうーと負のスパイラルを描いてしまうのだ。

論文試験とは、その人の人となりや経験を問うものである。各人が、それぞれに正しい答えをもっている。「文章を書く」練習をするのは良いが、思考をパターン化させてしまうとドツボにはまる。その場で書いてもらう試験の場合は、十分な時間が用意されているはずだ。テーマと静かに対話し、聞かれたことを、聞かれた順番で、自分の言葉で語るとよい。たとえ表現は拙くとも、その方が高い評価を得られるはずだ。

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* 2013年1月よりLC研究所のホームページでもブログが読めます!

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