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文章が苦手な人のために その3

「良い文章」と「名文」の違い

「良い文章」が「難しい語彙や言い回しを駆使した格調の高い文章」あるいは「人の心を打つ文章」であるという誤解が跡を断たない。これらは、「名文」であっても、良い文章であるとは限らない。良い文章とは「自分以外の誰かのために、用を為す文章」であると私は考える。あなたは、誰のために、何のために言葉を連ねようとしているのだろうか。

もしあなたが社会人で、目前に迫る論文試験を目前に控えた中堅以上の社員であるなら、まず必要なのは文章力ではなく、むしろ「問題を発見し、解決するための視点」である。自らの業務や、業務を取り巻く経営環境の何を「問題」ととらえ、それに対し、自らはどんな働きかけをしようとしているのか。それを、シュミレーションをしているつもりで、できるだけ具体的に述べよう。相手の感情を刺激するような大げさな言い回しや、危機感のアピールは必要はない。とにかく、採点する人に理解してもらえるよう、規定字数にできるだけ近い量で書けばいいのだ。

もしあなたが会社のトップで、企業理念や経営方針を社内外に示したいと思ったら、理解してもらうだけでは不十分である。方向性を明示して社会的信頼を高めるとともに、社員のやる気をそそり、団結の機運を盛り上げなければならない。比喩やアナロジーを使って、見えない未来を表現力豊かに描こう。短い言葉であればあるほど、心に残る至言となる。「価値あるオンリーワン企業(シャープ)」「感動を・ともに・創る(ヤマハ)」。

もしあなたが悠々自適のシニアで、人生の道しるべを文字で刻みたいと思っているとする。まず、伴侶でも子どもでもいい、自分が半生記を書いている事実と、これをのちのちに残したい意向を伝えておくことをお勧めする。その文章は完全にご自身のためのものである。だから、万一絶筆になった折に、残された人々によって、原稿が悪気なしにゴミ箱に直行する恐れがあるのだ。(以前あったんですよ。「ウチの親父がこんなもんを書いてたから出版してやりたいけど、校正してくれますか?」という仕事の依頼が)

このように、あなたが果たそうとする目的の用途に適う文章が、「良い文章」である。このうち「美しさ」を備えた文章が、特に「名文」と称される。でも実務家である皆さんは、「美しさ」を目指す必要はないと私は思う。

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