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王様は裸か?

苦手な食べ物と向き合っている子どもと同じ感覚で、今、一生懸命、ある本の内容を飲み下そうとしている。名前は、まあ、ロジカル・ライティング系の本と言っておこう。

以前、あまりに読みにくかったので、購入した日本語訳を読みとおすのを断念して原本(英語)を取り寄せた。でも私の語学力のせいが大きいが、これもスムーズに頭に入らなかった。「Logic in writing,…」という但し書きが付いているわりには、やたら言葉の重複があるなど、表現で気になる点が目立ったのだ。「著者はネイティヴじゃないのか?」と、思ったことを覚えている。

最近、仕事の関係でこの本を読みなおす必要に迫られた。ところが、原本が見当たらない。やむなく、本棚の、目につくところにあった日本語版を手に取った。改めて見ると、訳者はマーケティング専門のコンサルタントのようだ。ビジネスパーソン向けの内容としては、うってつけの人選なのだろう。でもやはり、探している部分がなかなかみつからないほどわかりにくかった。例を挙げる。

●「…以下のようなプログラムが望ましいかもしれない」
ふつうは「望ましい」でやめとくが、おそらく助動詞‘may'が気になり、捨てることができなかったのだろう。せめて「望ましいと思われる」ぐらいにしてほしいものだ。

●「行動が完了した時点で得られる最終結果または得られるものがなんであるかという観点に立ち」
重複が大好きな原書につられて、‘得られる’の2連発という、気のきいた受験生ならばやらないような訳出をしてしまった。そもそも、「得られる最終結果」と「得られるものはなんであるか」は、字面からすればイコールに見えるのだが。多分これは、ofの読み違いで、「最終的な成果、そしてプロセスで得たもの」という意味じゃないだろうか。

これらが、‘散見される’のではなく、‘オンパレード’レベルなのだから、読み手の苦労は筆舌に尽くしがたい。ところがアマゾンでは100件近いレビューのうち、75%以上が「わかりやすい」と肯定的なので驚いた。しかしよくよくそれらの内容をみると、「予備知識のない人にはとっつきにくい内容だ。だからこそ、自分の血肉となるまで使いこなす!」という宣言がけっこうある。…うーん、わかりにくいのは多分あなたのせいじゃない、たぶん。文章表現のまずさが大きいと思うよ。「王様は裸だ!」といってあげたいなぁ。

ちなみに邦題には「考える技術」とある。ひょっとしたら、原文を思い浮かべ、文の意味を推察することによって思考力をトレーニングをさせようという、訳者の親心かもしれない。

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