FC2ブログ
コメントは受け付けていません。
トラックバックは受け付けていません。

うなぎの思い出

ウナギの値段が、文字通り、うなぎのぼりに高騰しているらしい。確かに店の陳列棚をのぞいてみると、値段とともに商品の数の少なさに驚く。

実は、ウナギは高級魚であるという認識は大人になるまでなかった。帰省先の田舎では珍しい食材ではなかったからだ。川が氾濫したあとなどは、子どもでも1本2本、岸辺で拾うこともあった。手先の器用ないとこは、魚籠を仕掛けて取っていた記憶がある。大抵は大人の酒の肴になっていた。

一度、子どもらだけで調理したことがある。内臓を出すときは数人がかりである。包丁を握れるのはいとこ連中のなかでも、長老(といっても小学校の高学年か中学1,2年ぐらい)、頭や胴体を押さえつけるのは、そのすぐ下の中間層。私のような一番幼い連中は息をつめてみているしかない。それこそ24ぐらいの瞳が並ぶ中、炎天下、切れない包丁でうなぎは解体されていく。ウナギ押さえにあぶれた別同隊が、横で練炭で火をおこしている。

それに塩を振る知恵も浮かばないまま、焼けた網の上に箸でつまんでのせる。筒切りなので、芯まで焼けるのは相当時間がかかる。脂が多いのですぐ焦げてしまう。できあがりはどうみてもヘビの黒焼きだ。グロい、まずそうでほとんど食べるやつはいなかった。私は好奇心からか、一番食べたらしい。

その日の晩、私は高熱を出してうなされたようだ。そこから「ウナギはあたる」という認識が子どもたちに広まり、ザ・解体ショーはその夏限定一回きりのイベントで終わった。

今から思えば、この高熱は熱中症というやつだろう。炎天下の中に3時間以上立っていたのだから、ウナギのせいにするのは相手も浮かばれまい。熱い夏の日、「少年時代」の強烈な思い出である。

Copyright © 2002 L.C.Lab All Rights Reserved
スポンサーサイト



category :    雑感  comment : × track back : ×