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category :    雑感

『正しい』日本語ってなんだ

事務所の模様替えをしていると。古いチラシが出てきた。もう10年ほど前になるか、京都のキャンパスプラザで「21世紀講座」に登壇した際のものだった。テーマは「『正しい』日本語ってなんだ」で、講師5名からなる計5回講座のうち、3回目を務めた。1回目の人がすごかった。あの故・加藤周一さんだった。

高校生の時、共通一次(センター)試験の模試で加藤さんの評論が出されたことがある。まさか、「今年の現国は小林秀雄か加藤周一にヤマを張れ」のうち「知の巨人」の方と一緒に仕事ができようとは…。人生は分からないものである。

自分が何をしゃべったかはかなり記憶から飛んでいるが、講演のアンケートに上品な女文字で「田原先生にティッシュをお渡ししとうございました」とあったことだけは鮮明に覚えている。風邪をひいて洟を垂らしながらの講演だったようだ。

あれ以来、「正しい日本語とは何か」ずっと考えているが、未だに答えが出ていない。『マイ・フェア・レディ』のヒギンズ教授ならいざ知らず、「正しい」というレッテルは誰が貼るのか?ことばどころか、これが日本だと思ってすがっていた土台さえも怪しくなっている。加藤さんなら、今のこの国をどう論じるだろうか?

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恐怖のDNA

また更新が遅れてしまった。「これはアクセスのリピーターをアップするうえで最もまずいやり方ですっ」とある方から忠告をいただいた。とてもありがたいことである。次からはちゃんとやろう、と決心する。しかし、何度めの決心だろうか。

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さてさて今日も小ネタで。題名からホラーネタ、あるいは野球ネタ(eがいるが)を連想されたかもしれない。どちらでもない。昨年、パリに遊びに行った時の話だ。

ルーブル美術館のカフェで、朝ごはんを食べていて驚いた。スズメがパンくず目当てにテーブル上まで遊びに来るのだ。日本でよく見られるような警戒心は全くない。ハトなみの馴れ馴れしさである。

逆に、ハトからはかなりの警戒心を感じる。足元に寄ってくるなどということはまずなく、なるべく人間と目を合わせず、距離を置こうとしているように見える。ひょっとすると、「取って食われる」とでも思っているのか?

確かに、ジビエを扱うたいていの店では、ハト料理が1つや2つはある。すずめ料理は今まで見たことがない。それに対し、日本の焼鳥屋では「すずめ焼き」は定番メニューである。しかし「ハト姿焼」「ハトの肝串」などは聞いたことがない。先祖代々から捕食の対象となってきた恐怖が、それぞれのDNAに刻みこまれ、人の姿に警戒信号を出すのだろうか。

ちなみに、昔、ロンドンのピカデリー広場=ハトの洪水だった。が、今日ではハト自体がかなり少ない。「請勿餵鴿子」など7ヶ国語で書いた看板が徐々に功を奏してきたとのことである。しかし激減の理由を、80年代以降のサッチャー改革のせいにする説もある。失職した人がパイにしたというのだ。

実は「はとパイ」はイギリスで一度口にしたことがある。それ以来、動物系パイは「うなぎパイ」しか受け付けなくなってしまった。イギリス人とはいえ、あれを朝昼晩続けて食べることは可能だろうか。私にとしては、前者の説を支持したい。

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すべらない力

「すべらない○○」というタイトルを本につけると、売り上げもすべらないとの確信があるのだろう。アマゾンの検索では「すべらない就活」「スベらない商談」「すべらない敬語」「センター試験ですべらない(ある意味、意外性のないタイトルだ)」…が数十件登場する。

これらを見ていて、面白いことに気付いた。フジTVの『人志松本のすべらない話』の誕生は2004年ごろだ。だが、本の発刊は2010年ごろと最近のものが目につく。番組名から借用したのは明らかだが、なぜ最近なのか。また、どちらかというと無名の筆者が多いのも興味深い。

もうひとつの旬なタイトルは「××力」だ。これは、正確な数は調べられなかったが、「すべらない」との比率から言えば10倍は下らないだろう。勝間和代『断る力』、阿川佐和子『聞く力』、猪瀬直樹『決断する力』…有名どころが続々である。

発端は、ネガティブな響きを持つ「鈍感」と組み合わせた名タイトル、渡辺淳一『鈍感力』(2007年)ではないか。と思いきや、早稲田ビジネススクールが編み出した「現場力」というネーミング登場の方が2004年と古かった。代表作である遠藤功『現場力を鍛える 「強い現場」をつくる7つの条件』は、日本企業の強みを説いた好書であった。が、どこに着目して「現場」としているのか、ややあいまいと感じたことを覚えている。

今、論理力と文章力に関する本を書いている。「すべらない力をつける!実践論理力」だったらベストセラー間違いなしと思いたい。しかし旬を逃すとイタさが際立つのが、この手のタイトルである。早く、陽の目を見せてやりたいものだ。

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キャリア・コンサルタントのキャリアは誰が考えるのか?

人事担当者らとの寄り合いでのこと。「自分の人事異動ってどう決めるの?」と尋ねたところ、「‘床屋の髪’っていう質問か。ははは」と笑ってごまかされてしまった。これは「床屋の髪は誰が切るのか?」からの借用で、専門家が自分の専門分野で当事者になったときにどうしているのか、といった場面でよく使われるセリフだ。

替って「キャリアコンサルタント(CC)」のお話。職業選択、仕事の中身・人間関係など、働くうえでのさまざまな問題解決を傾聴・気付き・助言で援助しながらキャリアプランを練るのを助けるのが、CCの仕事である。昨今では、「雇用の調整弁」となりがちな若年層への正社員化促進のための政府プロジェクトで、その役割を発揮することを期待されている。

では「そうか!そんな成長職種なら、私も資格を取得してフリーター脱出!」と思ったあなたはちょっと甘い。実はこうした公的就職支援機関(ハローワークなど)にフルタイムで勤めるCCの大半が、月収20万程度の契約期間1年の非正規雇用である。これはCC全体の1/4以上を占める。(2010年度「キャリアコンサルティングに関する実態調査部会」より)実際、「契約更新の時期が近付くと不安で仕方がない」という声もよく聞く。雇用の不安定さに悩んでいるのは、あなただけではない。CCも同様なのである。

来年度からは5/21付コラムでも書いたとおり、学校へのキャリア教育の充実に向け、まず大学へのハローワーク職員の派遣が始まる。そのため政府は現在2万8千人程度のCCの数をさらに数万人、上積みする予定だ。おクニはますます非正規雇用を増やすつもりらしい。

二重の意味で「雇用の調整弁」と化しつつあるCC。キャリアの先が見えないCCのキャリアプランは、一体誰が考えてくれるのだろう?

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或る夜の出来事

今、出張中である。泊まりで仕事をするときは、人と会う時以外、夜はほとんど出歩かず、ひとり部屋でおとなしくしていることが多い。よく行ってホテル内のスポーツクラブぐらいだ。

ホテルについたらすぐにすることがある。「お札」チェックだ。様々な人が泊まるホテルでは、部屋で‘事件’や‘事故’が起こっていることがある。そういう部屋には、必ずどこかに清めのための札(や塩)が置いてある。

非常階段のありかは確認するが、そういうことには無頓着なたちであった。でも講師仲間から、やれ、夜中に金縛りにあったの、鏡に何か写っていたのという話を聞くものだから、不快な体験はできるだけ避けるためにも、チェックをするのが習慣になっている。チェックポイントは飾ってある絵の裏、机の引き出し・ベットの裏や下、クロゼットの中である。

昨年秋のこと、ある地方のホテルに夜遅く疲れて到着した、。念のためベットの下を見ると、見事に塩が盛ってあった。ホテル側に言って部屋を変えてもらった。しかし新しい部屋でもなんか妙な気配を感じ、壁の絵をめくると、手書きの梵字のお札が落ちてきた。梵字のいくつかが誤字なのが、ご愛敬といえなくもない。

その時点で草木も眠る丑三つ時である。さすがに部屋をもう一遍変わる気力もなく、お札だけフロントに引き取ってもらい、そのまま寝た。あくる朝、わざわざ支配人がお詫びに来た。似たような体験をした友人がロールケーキをもらったという話を思い出し、ちょっと期待したが、結局何ももらえなかった。

あの部屋で凶事があったための即席お手製札だったのか、それとも前泊した誰かがマジナイをほどこしたのか。どっちにしろ、私本人にはあまり影響はなかったようである。

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